サッカー好き、マラソン好き。日頃からトレーニングを欠かさないというご家族の家創りは奥様のご実家の近所に土地を求めてスタートしました。

風力発電の風車が乱立しているほど風が強い地域だけに建物には海側からの浜風を防ぐ壁を設け、飛行機の翼断面を模したプロポーションを建物に与えることで風をいなす構造を持たせました。

一転して内部は積極的に地元杉を利用しながらもモダンで現代的な空間をしつらえることで周辺環境との親和性を高めています。広く取られた庭はサッカーグラウンドのように機能しており、半層持ち上げられたダイニングキッチンで作業していても庭全体を見渡すことが出来ます。スタジアムでスタンドにいるようなイメージを投影しました。

内外の視線がダイナミックに交錯することで家と庭は一見特殊な関係性をもちながらも一体的に家族をつないでいます。まさに外にキッチンがあるような、家の中でピッチを駆け回っているような錯覚に陥る空間構成です。

football pitchという名前はこの抽象的な感覚を具現化するという設計コンセプトから名付けられました。

共働き夫婦の家事負担を軽減すべく家事動線も工夫されており、通路の往復だけで日常的な家事が終わり、整理される工夫が施されています。